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『ぐるりのこと。』 感想&予告編 - 夫婦の絆に愛おしさがこみあげてくる一作

前回ご紹介した『Shine』は実在のピアニスト、デイヴィット・ヘルフゴットの半生を描いたものでした。
一度は心を病みぼろぼろになりながらも、ちょっとずつ回復していった彼。
今回は「再起」つながりで、こちらの映画をご紹介します。

木村多江さんのフツーだけどフツーじゃない演技が光る一作。
20代後半からの大人ムケです。( ̄一* ̄)b

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満足度:★★★★
2008年:日本
監督:橋口亮輔
出演:木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、寺島進、安藤玉恵

あらすじ
1993年、翔子(木村多江)は「母」となる喜びをかみしめていましたが、その大切なはじめての子どもを失ってしまい・・・
だんだんと心の均衡をくずしていく翔子。 そんな彼女を励ますでも突き放すでもなく、ただそばにいて見守り続ける夫カナオ(リリー・フランキー)。
一組の夫婦の、10年あまりのありのままの日々・・・。

特徴と見どころ
・木村多江さんのリアリティに満ち溢れたキャラ
・リリーさん演じるカナオの名言の数々
・法廷を背景にした10年の時の描き方


感想
どこか「翳り(かげり)」のある女優さん、というか、つまりは「地味」っていう印象が強かった木村多江さん。
そんな彼女が今作で見せてくれた「翔子」という女性は、時に痛々しく、あまりにも生々しく・・・けれど悩みぬいた末の一皮むけた後では内面からの輝きに満ちていて・・・素晴らしく素敵でした!

情感たっぷり、けれど絶妙に等身大でリアリティー感のある木村多江さんの演技は、まさに、日本アカデミー主演女優賞の栄冠にふさわしいものでした。

何事も「ちゃんとしたい」生真面目な妻・翔子。
風来坊でどこかひょうひょうとしたところのある夫・カナオ。
この映画はそんなひと組の夫婦の10年あまりをダイジェスト的に追っていきます。

その追い方は、2人に、またその周りにどんなことが起きたのか、観る者の想像に委ねる部分が多々あり、それゆえ、「あれれ?」と疑問が残る部分もあります。
だから、人によっては、ちょっと「消化不良」気味に感じてしまうかもしれません。

けれど、それ以上に、1対1の男と女がめんどうくさくっても、ぐるりぐるりと何週しても、逃げ出さずに一緒にいる。その結果、ちょっとずつお互いへの理解を深めていく。
ちょっとずつお互い成長していく。
そういったところが本作の醍醐味で、じんわりと「いとおしい」気持ちでいっぱいになりました。

翔子は生真面目であるが故、はじめて授かった子どもを失ったショックから、じわりじわりと心のバランスを欠いていきます。
仕事も続けられなくなり、友だちともうまくつきあえない。
自分の感情をコントロールできずに苦しむ翔子とは逆に、不気味なほど自分の感情を表にあらわさないカナオ。

ある嵐の晩、翔子の焦りと苛立ちは爆発します。
その苛立ちの矛先が、翔子を励ますでもなく、突き放すでもなく、ただたんたんとそばにいるカナオの態度にむくと、カナオは初めてその胸中を語り始めます。

「泣いたら、悲しむってことになるの?」と。

それにしても、「ちゃんとしたかったのに。ちゃんとしたいのに。全然ちゃんとできない!」 と地団太踏んで泣き喚く翔子は圧巻でした。
そして、そんな翔子にぼそりとカナオがつぶやいた一言。

「ちゃんとできなくたっていいじゃん。そのままでいいじゃん」

じわ~っときましたね~。

はっきり言えば、リリーさんのは演技というより、ただ棒読みしていったら、ああいうヌボーっとしたキャラになったって感じがするんですが・・・
でも、こう、一組の夫婦としてみたときに、とてもしっくりする感じがしました。
まあ、ちょっとヌボーってしすぎだったっていうのが正直な感想だけれど・・・。

カナオが先輩から押しつけられた「法廷画家」の仕事。その仕事を通して、カナオは、1990年代のさまざまな犯罪・事件の犯人を描いていくことになります。
はっきり示されているわけではないけれども、きっとその過程で、カナオの中で変化するものもあったんだろうなぁと思います。

一組の夫婦として、ひとりひとりの人間として、ゆっくりと脱皮していく。
その時の経過の表現にも、90年代の事件の「法廷」という場面が生かされていました。まあ、10代、20代前半の方にはちょっと分かりにくいのかもしれないけれど・・・。

ともあれ、見直すたびに新しい発見がありそうな良作です。じんわり、きました!


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心に残った台詞
嵐の晩、翔子がたずねた一言にカナオが返した言葉。
シンプルで、でも、きっと翔子が一番聞きたかった言葉だろうなぁ~。

翔子  「どうして、(こんなダメダメな)わたしと一緒にいるの?」
カナオ 「うん?好きだから」



予告編
http://youtu.be/q_uXVrJRGNQ



女性が美しく立ち直っていく映画

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