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『ホテル・ルワンダ』 感想&予告編 - 史実を伝えつつ映画としても超一級品

後に「黒いヒトラー」と呼ばれることとなったイディ・アミン大統領を描いた『ラストキング・オブ・スコットランド』。イディ・アミン大統領に扮したフォレスト・ウィテカーの狂気っぷりは凄まじいものがありましたが・・・

今回ご紹介する映画では数多くの人間の狂気が・・・。
昨年(2009年)、あの恐怖の殺戮から15年目を迎えたルワンダは、2003年に当選したカガメ大統領の指導の下、年5%以上の経済成長を達成しています。現在、首都キガリではビルの建設ラッシュが進んでいるとか。

でも、もう2度とあんな悲劇を起さないために、世界中の人たちが、決して、忘れてはならない出来事。
「ジェノサイド」つながりで、この映画をご紹介しますが、ルワンダのジェノサイドを大勢の人に伝えるというメッセージ性だけに終わらない、秀逸な映画作品です。

105008Hotel.jpg

満足度:★★★★★
2004年:イギリス、イタリア、南アフリカ
監督:テリー・ジョージ
出演:ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ハキーム・ケイ=カジーム、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス

あらすじ
1994年。アフリカの中央に位置する小国ルワンダ。
過去の植民地経営で広げられた部族の差別化は、「フツ族」が「ツチ族」を虐殺していくという最悪の事態を招いてしまう。
4つ星ホテル「ミル・コリン」の支配人ポール(ドン・チードル)は、その悪夢のような大虐殺に直面し・・・。

※実在の人物をモデルに描かれたノンフィクション作品です。

感想
1994年の春に始まったというこの大虐殺 -約100日間で80万から100万人の人が虐殺された- について、わたしはほとんど知らずにいたので、大きなショックを受けました。

映画は真っ暗な画面の中、ラジオのチューニング合わせの音が響いてくるところから始まります。

キー・ピ・ピ・ピ・・・
「クリントン大統領はサラエボの現状に懸念を表明」
キー・ピ・ピ・ピ・・・

「『なぜツチ族を嫌うか?』と尋ねられたら、『歴史を学べ』と答える。(中略)
油断するな。隣人を監視しろ。」


不穏なラジオ放送の後、画面は一転、強い日差しに照らされたルワンダが映し出され、音楽は明るいノリへと変わっていきます。
このオープニングにはとても人を惹きつけるものがあり、一気に物語りにのめり込みました。

ラジオで「隣人を監視しろ」と言い放ったフツ族至上主義のDJルタガンダは、魅力的なダミ声とアップテンポな口調で、強力なカリスマ性をはなっていました。
それゆえ、ラジオ放送が過激化するとともに、何の罪もない隣人(ツチ族)が連れさられ、その後、虐殺が広がっていくという様子が非常にリアルで・・・

とてつもない恐怖を感じました。

ルタガンダの台詞で、強烈に頭に残ったものがあります。
彼は主人公ポールが勤めるホテルの取引先のボスでもあり、その取引の最中に大量の鉈(なた)が露見した時の一言です。

「中国から1本10セントで仕入れた。最低でも50セントで売る。」


フツ族至上主義の民兵がツチ族殺戮に使った道具は、鉈や手榴弾、自動小銃でした。
たった10セントの鉈で奪われていった数多の命。そして、その鉈で利益を得る者。様々な縮図がこめられた台詞。

ポールはそのやりとりや、街の不穏な空気から、次第に不安を募らせていきます。というのも、彼の妻はツチ族だったからです。(ポールはフツ族)
ほどなく、街ではツチ族への虐殺行為が始まり、ポールは自身が支配人を勤めるホテルに、妻と子供、そして隣人のツチ族をかくまっていきます。

ポールはその時点では数日後には、外国からの介入軍がきてくれると信じていたのですが・・・
ホテルにやって来た国連軍は、外国人の退去を促すためだけのものでしかありませんでした。しかも、激しさを増す虐殺の最中、国連の平和維持軍は人員を大幅にカットされてしまい・・・

外国からの介入軍もなく、事実上、国際社会より見捨てられてしまったルワンダ。
ポールは持ち前の機転とビジネスマンとして培ったノウハウだけを頼りに、ホテルのガードを固め、フツ族の侵入を阻みます。その結果、いつしかホテルには、大勢のツチ族が逃げ込んでいて・・・

最終的に、ポールは1200人ものツチ族を殺戮から守ることになったのですが、がちがちのヒーローとして描かれていないところにとても好感を持てました。
多くの人間をかくまっているのは、あくまで、成り行き上。1番の関心はもちろん家族。
なんて、そこまでドライではないですが、いつだって、真っ先に思い浮かぶのは家族の安否。どうやっても家族を守りたいという一心。

そんなスタンスが人間くさくて良かったです。
そして、その愛こそが彼の原動力で、それ故、多くの人間をもかくまい続けることが出来たのでしょう。

陰と陽を巧みに使ったオープニングは秀逸でしたが、映画の中盤にも、この陰と陽の見事な演出がありました。
朝もやの中、信じられないような虐殺の残骸を目にしたポール。彼がホテルに戻ると、ホテルの中庭では子供たちがさんさんと輝く太陽の下、楽しそうに踊っている。
一体どちらが現実なのか。どちらかが虚構ではないのか?と疑いたくなるような刹那。

胸にツーンときました。

映画を観終わった後、冒頭の「クリントン大統領は~」というラジオのアナウンスが、いかに皮肉だったのか、どんなにか大切なメッセージだったのかに気づきました。
「クリントン大統領」はただの代名詞。そこには自分の名前だって当てはまるわけです。

無関心は最大の罪である。(マザー・テレサ)
Doing nothing doing ill. - 何事をも為さざるは 罪をなしつつあるなり - (太宰 治「一問一答」より)


人生の中で見ておかないといけない映画があるとしたら、これは、まさしくその類の映画だと思います。
けれど最初にも書きましたが、史実を知るというメッセージ性もあるにせよ、「映画」としても完璧な一級品です。サントラも最高でした。
未見の方は、ぜひ、ぜひ、一度、ご覧になってみてください。



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予告編 ※日本語なし




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