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『グアンタナモ、僕達が見た真実』 感想&予告編 - 過酷な現実を生き抜いた3人の青年の物語

前回はオーストラリアの原住民アボリジニに対する政策の一端を取り上げた『裸足の1500マイル』という人種差別・偏見に凹む一作をご紹介しました。
今回は「人権」つながりで、前回よりもさらにズドーンと谷底に突き落とされるような一本をご紹介させていただきます。今、まさにリアルタイムで行われている許すべからざる真実の物語です。

「テロから国民を守るために」という大義名分で行われている暴虐の数々。一体それのどこが正義だというのでしょう?

081006guantanamo.jpg

満足度:★★★★★
2006年:イギリス
監督: マイケル・ウィンターボトム、マット・ホワイトクロス
出演:アシフ・イクバル、ローヘル・アフマド、シャフィク・レスル、アルファーン・ウスマーン(アシフ役)、ファルハド・ハールーン(ローヘル役)、リズワーン・アフマド(シャフィク役)

あらすじ
2001年10月。イギリス生まれ、イギリス育ちのパキスタン系イギリス人・アシフ(アルファーン・ウスマーン )は、結婚式を挙げるためにパキスタンを訪れます。そして、その結婚式に出席するため、彼の親友であるローヘル(ファルハド・ハールーン )、シャフィク(リズワーン・アフマド )、ムニールもパキスタンへ。
見慣れぬパキスタンを散策する中で、彼らは隣国アフガニスタンの悲惨な状況を耳にし、自分達の目で確認したいと国境を越えます。けれど、そこで彼らはタリバンに間違えられ、キューバの米軍基地グアンタナモまで連行されてしまい・・・。

特徴と見どころ
・描かれているのはTVでは報道されない事実
・ニュースとドラマとインタビュー、3つを交えた作り方が巧妙
・不当な仕打ちを耐え抜き、前を向いて生きている3人の強さに感服


感想
感想を述べる前に、まず、「グアンタナモ米軍基地」について言及します。

キューバ東南部に位置するグアンタナモ米軍基地(収容所)は、キューバ国内でもアメリカ国内でもなく、軍法のみが適用される「治外法権区域」にあります。
その地の利が悪用され、2002年のアフガニスタン戦争以来、そこには、アルカイダやタリバンなどのイスラム過激派であると容疑をかけられた者たち(しかも、その多くが不当な容疑で)が、大勢、拘束されているのです。治外法権区域のため、被疑者の権利も保障されないままに。

わたしは、ある記事でこの基地のこと、この基地で行われている不正を知り、この映画に関心を持っていたのですが・・・すなわち、ストーリーのあらましは知っていて見たわけですが・・・
実際にこの映画を見た後は、ただ茫然自失の状態に陥りました。

2年以上グアンタナモで不当な拘束・拷問を受けた実在の人物アシフ、ローヘル、シャフィクの3人へのインタビュー、当時のニュース映像、そして、そのインタビューを元に作られたドラマが交互に綴られた半ドキュメンタリーのこの映画。
そのあまりに非道な仕打ち、そして、3人のうちの1人、シャフィクが1977年4月15日生まれということが、何よりも衝撃的でした。なぜって?
わたしの誕生日とたった8日しか変わらないからです。

イギリスで育ったアシフ、ローヘル、シャフィク、そしてムニールは、パキスタンでの観光を楽しみ、あるモスクでの説教に耳を傾けます。それは、米国のアフガニスタン空爆に対する批判で、「アフガンの人々を助けろ!」というものでした。
説教に熱狂する人々。彼らは、若者ならではの好奇心で、たった250ルピーで行ける隣国アフガニスタンの実情をこの目で見ない手はない」と、アフガニスタン行きを決めたのでした。

彼らがパキスタンで話した多くの人は「アフガン攻撃は続かない」と言っていたのですが、首都カブールに到着した彼らが目にした現実は、日増しに激しくなる攻撃。恐怖を覚えた彼らは、案内人に「パキスタンに帰りたい」と告げたものの・・・
なぜか、連れて行かれた先は、タリバン最期の拠点。そして、あれよかれよという間に、彼らは、タリバンの一味として、タリバンの敵である北部同盟によって捕らえられてしまったのです。(ムニールは空爆の混乱で行方不明に)

そして、米軍によって「国際的テロリスト」と決めつけられ、グアンタナモへ・・・。

ここからは個人的な話になりますが・・・
彼らが拘束される直前、わたしは1人でインドを旅行していました。
ちょうど911テロの直後だったのですが、インドといっても、コルカタ(カルカッタ)だから問題ないでしょう、と、ひどく呑気に。思い返せば、インド到着後、知り合ったやけに日本語が流暢なガイドさんも、パキスタンの人々と同じように、「まさか戦争は起こらないでしょう」と言っていたものです。

結局、その1週間後、わたしが帰国する直前、「アメリカがアフガニスタンと戦争を始めた!」というニュースが耳に飛び込んできました。
正直に言うと・・・その時は、戦争に対する悲しさ・嫌悪こそ感じたものの、それでも、わたしには何の関係のないことだと思ってしまっていました。

それにしても、わたしがインドへ向かったことと、彼らがアフガニスタンに向かった動機に、どこまでの差があったのでしょうか?

まだ見ぬ土地に対する「好奇心」。

それなのに、彼らが経験させられた年月と、わたしが過ごしてきた年月の、あまりの違い・・・。

むごすぎる仕打ちを受けた彼ら、そして、未だ不当に拘束されている人々・・・。

だけど、この映画は、彼らの嘆きの物語ではありません。
グアンタナモを世に伝える映画、そして、過酷な状況におかれてもなお、心を折られることなく、強く生き抜いた青年たちの姿を描いた映画です。

3人を演じた役者さんたちは、とても素晴らしかったです。
そして、実物の3人。彼らの強さは・・・とてもわたしの言葉では言い表せません。

この映画を見た俳優の松山ケンイチさんが、とても素晴らしいコメントをよせています。

僕達は何も知ってはいない。知っているのは全てではない。
全てを知る事は無理かもしれない。
でも知ろうとする気持ちは常に持っていたい。
この作品で知って欲しい。
僕達はある一方の視点に偏っている事を。
そして、白黒つけられるものなんて殆どない事を。


頭の中をハンマーで殴り続けられているような、そんな衝撃を受ける映画です。
けれど、多くの方に、見ていただきたい、そして、基地閉鎖に向けて、1-clickでも何か行動することが大切なんじゃないかと思います。


3人のインタビューの最後の言葉
3人の強さに深い感銘を受けました。

アシフ
「人生が変わってしまった。考え方、世の中の見方も。この世界はいい所じゃない。 ---前向きに生きるのが僕には1番いい。振り返らず、前進する。それを始める時期だ」


シャフィク
「今になれば、これも経験だ。かえっていい人生になった。嘆く気はない」

ローヘル
「僕はそう変わらないが、前より戒律を守っている。以前は、全然だった」



関連リンク
グアンタナモ米軍基地(Wikipedia)
グアンタナモにNO!(AMNESTY INTERNATIONAL)
TEAR IT DOWN ! (同上)
グアンタナモの独房で綴られた詩(同上)


予告編
http://youtu.be/O_UoIM9Lpq8



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