スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『ネブラスカ 2人の心をつなぐ旅』 感想&予告編 - ひっそりとした笑いにあふれる父と息子のロードムービー

最近、見る年齢によって映画の評価が変わるという話ばかりしている気がしますが、これもまさにそのひとつ。
もし10代、20代でこの映画に出会っていたら、「なんか退屈だなぁ」「えっ、あのエピソー ドの答えはないのっ!?」と不満に思っていたんじゃないかと思います。

淡々とした中にそこはかとない面白みのある至極のロードムービーです。

20150624_Nebraska.jpg

満足度:★★★★★
2013年:アメリカ
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ブルース・ダーンウィル・フォーテジューン・スキッブボブ・オデンカークステイシー・キーチ
公式HP:ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅

あらすじ
100万ドルが当たったという詐欺通知をすっかり信じこんでしまった老齢のウディ(ブルース・ダーン)。ウディは周囲の言うことに耳を貸さず、モンタナからネブラスカまで徒歩で金を受け取りに行こうと再三家を抜け出しては、通報されていた。
そんなウディを見かねた次男のデイビッド(ウィル・フォーテ)はネブラスカへ付き合うことにする。こうして始まった父と息子の車の旅。その道中に立ち寄った父の故郷で、デイビッドは父の意外な過去を知ることとなり・・・。

特徴と見どころ
・淡々と進み、思わせぶりなエピソードは謎のまま
・配役の妙、思わずくすりとしてしまう父息子のやりとり
・味わい深さが増す全編モノクロ


感想
何度言い聞かせてもインチキの当選レターを握りしめて、ネブラスカまで歩いていこうと徘徊してしまうウディ。そんな父に手を焼きつつも、そんなに行きたいならいっそ連れ出してやろうとする息子デヴィット。
モンタナからネブラスカ州リンカーンまで、4州をまたぐ父と息子のふたり旅。全編モノクロで、大きな起伏もなければ、はっきりした結末も用意されていないこの映画。でも、台詞の端々に面白みや物事の真理があり、じわじわと心にしみてきました。

配給会社は父息子役にもっと知名度の高い役者を望んでおり、モノクロで撮影することにも反対していたそうです。
けれど、監督が息子役にキャスティングしたのは長年脇役として活躍してきたウィル・フォーテ、父親役にはやはり主役タイプではないけれど実力派のブルース・ダーン
淡々としたモノクロ映画にこのキャスティングは大正解でした。なぜなら、大物俳優につきまとうそれぞれのイメージが2人にはなかったので、非常にフラットな状態で見ることができたから。

もちろん、2人とも演技の面ではいうことなしの実力派。
父親の行動に眉毛を下げて困り果てる息子、そして、そんな息子を口をぽかんとあけて焦点の合わない目で見やる父親。2人の表情、そして台詞のテンポや間がなんとも絶妙でした。

2人はネブラスカへ向かう道中、父の兄の家に立ち寄ることに。父ウディの故郷でもあるその場所で、息子デイビッドは今まで知らなかった父のことをほんの少し知ることになるのです。
デイビッドが知っている父はいつもアルコールにのまれて家族に迷惑をかけてばかり。母親はそんなウディに四六時中文句ばかり。だからこれまであまり父と関わろうとしてこなかったのですが・・・。

故郷で父の旧友と会い、会話を重ねるうちに、父が若い頃ベトナム戦争へ行っていたこと、そこから帰還した後に酒浸りになり始めたことなどを知ります。「ただ飲みたくて飲んでいたわけではないのか?」と思ったかどうかはっきりは描かれませんが、驚きが隠せないデイビッド。
また若い頃の父のガールフレンドにも会い、知的で温和な老女である彼女に、「実は父の本命は下品なジョークと文句ばかりの母ではなく、彼女だったのでは?」なんて淡い期待を抱いたり・・・したかどうか、それも定かではありませんが。でも思ったんじゃないかなーと思います。

なぜなら、ちょっと言いだしにくそうに緊張した面持ちで、彼女のことを覚えているかとウディに問うからです。でも、そんなデイビッドの心境はいざしらず、「あ?ペグ・ナギー?」と不審な表情を浮かべ、昔付き合っていたペグだよと言ってみても、懐かしがりもしないウディ。
ボケてるからなのか、単純に本当にただちょっと付き合っただけだったのか・・・なんとも判断できないその様子が、デイビッドのドキドキと対照的で、思わずクスクス・・・と。

他にも2人のやりとりはいろいろ面白かったのですが、特に笑ってしまったのはデイビッドがウディに「結婚した理由」を聞くシーンです。デイビッドには別れたばかりの彼女がいて、彼女に結婚を申し込んだほうが良かったのか、でも、本当に彼女でいいのかウジウジ悩んでいて。
で、父親に相談してみるのですが。

返って来た答えは「ヤリたかったから」。
さらに「子どもについて2人で話し合わなかったの?」という問いに対する答えは「ヤッたからできた。母さんはカトリックだからな。おろすわけにはいかない」。

何をバカなことを聞いてくるんだ?とワケが分からないポカンとした表情の父と自分の存在がただヤッたからだと言われ困り果てる表情の息子。
もう、ここのやりとりは本当、声を出して笑ってしまいました。

デイビッドの母が本当、下品なジョークのオンパレードでね。ウッディに対しても、冷たい言葉ばかりかけているのですが・・・
でも、クライマックスでウッディが事故にあった時、病院のベッドに寝るウッディのおでこにチュッてする姿、良かったなぁ。やっぱり、悪態つきまくっていたのですが。でも、別れ間際に「本当におバカさんなんだから、チュッって。

仲悪そうな二人も本当は愛し合っていたんだなぁー・・・って、ことはやっぱりちゃんと描かれたりはしないので、想像の域を超えないのですが。
なんていうか、こういった思わせぶりな伏線はちっとも回収されていかないのですが、でも、それがかなり心地良かったです。

全編モノクロの良さもね、これにつながっていました。
全体的に観る者にゆだねる部分が多いこの映画。色っていうのは色々なイメージを植えつけるので、それがモノクロになることで、そのイメージも観る者が想像できて。それでいて、どこか普遍性のようなものもあって。だから、ピッタリだったなぁ、と。

そしてもうひとつ重要なことがあって、それはカラーよりも役者の顔がシンクロしやすいってこと。
道中、ウッディの兄の家に寄って、そこに親戚が集まるシーンがあるんですが、もう、全員本当に血がつながっているんじゃないかっていうような雰囲気で笑ってしまいました。

息子が彼女と別れた理由にせよ、父の過去にせよ、父と母の関係にせよ、他にも色々とチラ見させるだけして、本当のところは教えてくれない。
そこがはがゆくもあり、おいしくもある極上の一品。けれどタイトルから想像するような感動的な物語ではないので、そこは誤解しないように。 あ、でも、ラストはデイビッドの心意気にジーンとするはずです!



ここまで読んでくれてありがとうございます。ポチット押していただけると励みになります♪


にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ   


子育てブログもやっています☆→ Everything is All right 58


予告編
https://youtu.be/e3RgpBwqQoY







上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。