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『アメリカン・スナイパー』 感想&予告編 - 静寂の中に潜む緊張感にしびれた一作

巷の評価が高かったので気になりつつも、見る時を誤ると「寝落ちしてしまうかも」とか「気分が落ち込みそう」とかいう理由で後回しにしていた本作。いやはや、そんなの杞憂でした。
もうですね、なんていうか、「さすが、クリント・イーストウッド!」としか言えません。

最初から最後まで緊迫感に包まれつつ、作り上げた肉体で実在した人物を演じたにすっかり魅了されました。

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満足度:★★★★★
2014年:アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー
公式HP:アメリカン・スナイパー

あらすじ
1998年、アメリカ大使館爆破事件をテレビで見て愛国心から海軍に志願したカイル(ブラッドリー・クーパー)は30歳という年齢ながら厳しい訓練を突破して特殊部隊ネイビー・シールズのスナイパーとなる。
イラク戦争に出征し、狙撃兵として類まれな才能を開花させたカイルはいつしか軍内で「レジェンド(伝説)」と称賛されるようになるが、敵からは「悪魔」と呼ばれ懸賞金をかけられるようになる。その後、4回にわたってイラクに送られた彼は、同僚の死や凄惨な戦いから、次第に心を病んでいき・・・

※アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれた、クリス・カイルの自叙伝「アメリカン・スナイパー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)」を実写化。

特徴と見どころ
・ブラッドリー・クーパーの静かなる名演
・英雄としてまつりあげず、一人の人間の内面にクローズアップ
・凄惨な地上戦


感想
物語の始まりは後に「レジェンド(伝説)」と呼ばれることになるカイルが手榴弾らしきものを手にした母と息子を狙撃するかどうか見極めるシーンから始まります。険しい顔でスコープをのぞき、手にしたものが本当に手榴弾なのかどうかを見極めようとするカイル。
その息を飲むカイルの表情から、一気に映画の世界に引き込まれていきました。

その後、場面はカイルの子ども時代に。
テキサスで生まれ育った彼の夢はカウボーイか軍人。カイルはいじめられっ子の弟を守る強い兄で、幼い頃から狩りに出かける父に付き添い、当時から狙撃の才能を見せていました。
大人になったカイルは週末になると弟とロデオに繰り出す気楽な日々を送っていました。恋人よりも弟とのロデオを優先させることから、恋人との生活はうまくいかず・・・

そんな折、カイルはアメリカ大使館爆破事件のニュースを見て、海兵隊へ志願することを決意します。この感覚って、普通の日本人からするとなかなか理解し得ないものですが、子どもの頃から「愛国心」を植えつけられて育った彼らには選びうるひとつの道なんでしょうね。
こんな風に言ってしまうとなんですが、恋人との生活も破綻したところだったわけで、いい歳してロデオに明け暮れていたわけだから、入隊することは人生を変えるいい決断だったのかもしれません。

それまでカイルが何をしていたのか映画の中では描かれていませんが、入隊してからの彼はまるで水を得た魚のよう。過酷な訓練を耐え抜き、見事、スナイパーとしての地位を獲得します。
そして、その訓練の最中に運命の女性とも出会い、結婚。順風満帆にことが運んでいくようですが・・・

イラク戦争にスナイパーとして派遣されることがカイルの人生をまた変えていきます。もちろん、カイルはそれを望んで海兵隊に入隊したわけですし、彼自身は戦うことに何の疑問も持っていませんでした。
「味方をひとりも残さない」 - その使命だけを胸に、スコープをのぞき、引き金をひく日々。「味方を守る」「祖国を守る」、徹頭徹尾、カイルにはその揺るぎない信念がありました。

けれど、カイルのようにタフじゃない人間にとって、その戦場はまさに地獄絵図。
強い絆で結ばれていたはずの同僚も最期には戦争に疑問を抱き、カイルを追って志願した弟も心を病んでいきます。守りきれず命を落とした仲間たち、次第に心を蝕まれていく仲間たち。
そんな仲間たちの姿を目の当たりにしつつ、極度の緊張にさらされる毎日。それはタフなカイルをも変えていくのです。

悲惨なのはカイルにとっては「戦場にいて味方を助けること」が使命として染み付いてしまったこと。戦地から家族の元に帰るたびに変わっていく彼の表情。
安全な家族の元にいても、ちょっとした大きな音に過剰に反応し、早く戦地に戻らなければ・・・と焦燥感を抱いてしまう。カイルにとっての「帰る場所」はいつの間にか「家族」ではなく「戦地」になってしまっていて・・・

映画の中で、カイルがその心情を口にすることはほとんどありませんでした。けれど、静寂の中から、彼自身の葛藤や苦悩が滲み出ていて・・・
鍛え上げた肉体でカイルを演じたブラッドリー・クーパー、本当に素晴らしかったです。

妻と何気ない軽口をたたくカイル、祖国のために戦うことを選んだカイル、なんていうか、理想的な「アメリカン・ヒーロー」という感じなのですが。なのですが、「ヒーロー」として描かずに、「ヒーロー」の葛藤を静かに描いたところが良かったです。
それ故、ラスト、突然、カイルの葬儀の実際の様子が映し出されたところはちょっと余計に感じてしまいましたけどね。あれを出すなら、せめてエンドロールに小窓とかで流して欲しかったですね。

最後になりますが、イラクでの地上戦の描き方はとても見応えがありました。
爆弾などで一気に大量の人々が死んでいくのではなく、カイルの狙撃により、または敵方の狙撃手により撃たれていく兵士、民間人の死。いつどこからか自分が撃たれるかわからない、そんなカイルの緊張感がこちらにもより伝わってきました。
そしてクライマックスで引き起こる砂嵐。怖いくらい引き込まれました。

ともあれ、やはりクリント・イーストウッドも根っからのアメリカン・ヒーローなんですよね。素晴らしい映画でしたが、感想を書いていくうちに、そう思わずにはいられなくなってしまいました。こんなオチですみません。


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予告編
https://youtu.be/Av1UW0myxiA



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